今回はコロナを離れ今ドゥマゲッティで大論争になっているスマートシティ計画についてお話します。
そもそもドゥマゲッティ海岸線スマートシティ計画とは、ドゥマゲッティの海岸線沿いを埋め立てて174ヘクタールの新たな都市を作り出す計画です。
それによりドゥマゲッティに新たなビジネスや投資や雇用を生み出しドゥマゲッティ経済を一気に活性化させるなかなかに都合の良い計画なのですが、当然のことのように市民からは反対の声が多くあがっています。
今回の日本のオリンピックを彷彿とさせますが、やはりフィリピンでも政治家達は自分達の利権絡みが凄くあるので何としてでもこの計画を推進させようとしています。
ドゥマゲッティ市民特にシリマン大学をはじめとするインテリ層はこれに大反対しているようで、ドゥマゲッティやネグロスに住む外国人も基本的に反対のようです。
僕自身も大反対です。
反対派の主な論点はこれだけの埋立地を作るのにどれだけの環境破壊を行うかということ、これが一番強いように感じます。(少なくとも表面上は)
230億ペソもの大金をかけ(460億円ほど)174ヘクタールの海や海岸線を埋め立て、スマートシティとやらを築く。 今回の東京オリンピックのように、「何のため?誰のため?」
フィリピンで様々な建設関係や政府絡みのプロジェクトや、空港やら国際港やらタックスフリーゾーンのプロジェクトの話を政治家達や投資家達、ビジネスマン達との打ち合わせや実際にプロジェクトをサポートしてきたが、表向きに最も気にすることは環境問題だったが、今回の場合はその張本人達が環境問題を一番ないがしろにしている。何故だ??
それはみんなフィリピン人だったら気づいているが、お金がどこに流れていくか、いくらぐらいのお金が懐に入ってくるかこれがかなりでかく、そしてみんなで隠せる口実が確かにあるからだろう。
シリマン大学のお偉いさん達は環境へのインパクトがどれだけあるか?とこの計画の詳細があまり明かされていないことを危惧しているが、市民達はもっと身近な所で自分が住んでいるエリアがこの計画により犠牲になること、漁師や漁ができなくなる、魚が食べれなくなることを気にしている。
デモをしたり、ラジオやニュースなどで反対意見が取り上げられているが、それでも市長をはじめ政治家達はなかったことのようにどんどん計画を進めて、契約書や覚書などの作業をどんどんと進めて、もう後戻りできない所まで裏で動いてきている。
どこかの国と同じように市民の声は無視され自分達の利益のために、こういうことはコロナ騒動の裏でしれーっとこそーっと大掛かりなことを進める。
政治家達やそれに関わる人間達が電卓をたたき、裏でほくそ笑んでいる姿を僕はよーく知っている。
フィリピンには資源と呼べるものが少なく、特に観光資源、文化歴史に関するもの、名所などがかなり少ないので海や自然に頼ってきたが、ここまで大きなお金が動くとそれすらも一気に忘れ去られ目の前の大金に群がるのをよーく知っている。
大金を使い未来を勝ち取ろうと思っているかもしれないが、大間違いで未来をどんどん失っていくと僕は思う。
ドゥマゲッティの唯一の魅力とも言って良い海や自然環境を失ったら後に何が残るのか??
SNSでフィリピン人がコメントしていたが、「フィリピンが進むべき方向はこの古い考え方ではなく、すでに世界は環境を守る、維持していくを最優先にし、お金ではない新しい価値の方向に向かっているのに、フィリピンはそれをまだお金で買われてしまいどんどん衰退していく。」
このドゥマゲッティスマートシティ計画への論争が僕は他人事とは思えない。
特に日本にも全く同じようなことが言えると僕は思う。