ドゥテルテ大統領の影響で特にドゥマゲッティ中心部でお酒を売っていてその場で飲める激安超ローカル酒場がどんどんなくなっているのが最近気がかりだ。
ちょっとした時間の合間や、飲み会に行く前に早く着きすぎちゃった時などに景気づけにまず一杯、一杯40ペソで500リットルのビールをあおり、よっしゃー頑張るぞー!!と気合を入れる場所が減って来たのは哀しい
しかし最後のオアシスとも言える場所があったのを思い出した。
しかも、海沿いのブリーバードを少し入った先ブリーバードから徒歩15秒の場所にオアシスはあった。
名前は憶えていなく、看板がこれなのか?定かではないそこだけ時代に取り残されたようなきったなく、猥雑とした所にオアシスはある。
この時は午後5時過ぎ、6時に集合しパーティーに行く予定だったが時間が変にあいてしまったので一杯だけと思い、あ、そういえばここがあったとフラリと訪ねた。
開いているか開いていないかわからない感じだが店員らしきお姉ちゃんに聞いたらやっているらしく、電気を少し点けてもらいカクテルなどなかったが、ラムとコーラがあったので自分で混ぜることにした
コーラ一本15ペソ、ラム一杯45ペソ
それに氷をもらい、カラマンシーももらい自分で混ぜてラムコークを作ることに(またの名をキューバリバー、クーバリブレと呼ぶ)
ラムは45ペソだったのでワンショットだけかと思ったら、コップに並々半分以上注がれ(5ショットぐらいはある)氷は大量に、カラマンシーも大量に切ってくれた
これは思いがけずパーティー前に酔っちまうぞ
まだ店の外は明るいが店内はかなり薄暗く、怪しいブルーライトだけが輝き、客は僕1人、店員だか何だかわからない兄ちゃんが2人ギターを弾き1人は軽く歌っている。
いつものガチャガチャ大爆音、聞く人を無視した大音量音楽ではなく静かなアコースティック調のギター演奏とBGMよりも小さな声の歌だったので、すごく良かった。
音楽の国フィリピンはこのぐらいクラシックにいつもやってくれたらもっと暮らしやすいのにとかいろいろ思いながらかなり濃いめのラムコークをすすりながら、音楽とフィリピンについて思いを巡らせた。
お世辞には綺麗とは言えない店内で訳がわからない汚い人やら、店員もどきやら、猫やら虫やらが通り過ぎていくが、意外にこういうのが安酒にマッチしていて心地良い
何となく思いがけない何かを思い出すのに、思いがけない考えを巡らせるには最高の場所だと思った。
誰にも気にされることもなく、干渉やサービスを受けることもなく、60ペソで国や時代も越えた異空間に飛ぶことができる場所
普通に店員がヴィサヤ語で何の疑いもなく、ラムってなんだっけ?とかコーラ忘れてたとかトンチンカンなことを言ってもここでは気にならなくただただ誰もが何者でもなく、何をすることもなく、何を期待することもなくここにいる存在として空気のように扱われる。
何だかこういうのが心地良く、安酒と共にいろいろなことを思い出す。
ノスタルジックでエアリーなオアシス